【自動車保険の基礎知識】自動車保険の等級

こんにちはユウタです。

自動車保険の基礎知識として等級について説明していきます。

自動車保険に加入している方なら等級は知ってますよね。「名前は知っているけど具体的には良くわからない。等級知っているけど自分の等級はわからない。そもそも車に持ってないからわからない。」

こういった「わからない」を解説していきます。

まず、前提として自動車保険には車を1台~9台所有の契約であるノンフリートと10代以上所有のフリートという契約があります。今回は、前者のノンフリートについて紹介します。

記事のテーマ

【自動車保険の基礎知識】自動車保険の等級についてわかりやすく解説します。

車を持っていない方でも今後車を買う機会があるかもしれないですよね。

車を買ったら自動車保険は、ほとんどの人が加入するはずです。そのときに等級ね。知ってるって思えると思います。

【自動車保険の基礎知識】自動車保険の等級

等級とは階段のみたいなものです。

車を始めて買って自分名義で自動車保険に加入すると必ず6等級からスタートします。

毎年一歩ずつ階段を上っていくイメージです。ちなみに1番上は20階です。

順調に上っても6階からスタートして20階にたどり着くのに14年もかかるんですよね。

等級は下がることがある

順調に上がれば14年で20等級まで行けると説明しました。

残念ながら下がることもあります。1番下は1階です。つまり、1等級まで下がることがあります。

下がる理由は簡単です。事故を起こしたときに下がります。

しかも、通常の事故を起こすと3等級下がるんです。1年に1段しか登れないのに事故をすると3段下がる必要があります。

もし、事故を起こしたら20段まで上がるの大変ですよね。

ただ、例外として1等級ダウン事故やノーカウント事故というものがあります。それは後ほど説明しますね。

等級はなぜ必要なのか

等級の全体像はわかりましたか?1階から20階の階段みたいなものですよね。

それでは、なんで等級があるのでしょうか?

例外を除いてほぼ全員が6等級からのスタートです。毎年事故をせず階段を上る人は保険会社にとって保険料だけを払ってくれる良いお客さんなんです。

良いお客さんには優遇をしたいですよね。なので、等級が上がると保険料の割引が大きくなるように等級が設定されています。つまり、順位をつけてるんですね。

反対に、事故ばかり起こす人は当然ですが割引率は減ります。最終的に3~1等級は割増の保険料が適用となります。

1等級から20等級までの割引率の表です。これを見ると自分の等級がどれくらい割引があるのかすぐにわかります。

等級 割増引率 等級 割増引率 等級 割増引率
割増 1 64% 割引 10 45% 割引 19 55%
割増 2 28% 割引 11 47% 割引 20 63%
割増 3 12% 割引 12 48%
割引 4 2% 割引 13 49%
割引 5 13% 割引 14 50%
割引 6 19% 割引 15 51%
割引 7 30% 割引 16 52%
割引 8 40% 割引 17 53%
割引 9 43% 割引 18 54%

等級にはもう1種類ある

実は等級表はもう1種類あるんです。

事故を起こすと3等級下がるというのは説明しましたよね。

確かに3等級下がるのは間違いありません。しかし、事故を起こした人は専用の等級表があるんです。そして、そちらへ移行します。

1度3等級ダウン事故を起こし事故有りの等級表へ移行すると、3年事故なしを続けなければ元いた表には戻れません(上限6年間)。

事故有りの等級はこちらです。両方の表を載せますので、事故なしの表と比べてみてください。

事故が有った場合の表

等級 割増引率 等級 割増引率 等級 割増引率
割増 1 64% 割引 10 23% 割引 19 42%
割増 2 28% 割引 11 25% 割引 20 44%
割増 3 12% 割引 12 27%
割引 4 2% 割引 13 29%
割引 5 13% 割引 14 31%
割引 6 19% 割引 15 33%
割引 7 20% 割引 16 36%
割引 8 21% 割引 17 38%
割引 9 22% 割引 18 40%

事故がなかった場合の表 ※繰り返しですが、先ほど見た表と同じです。

等級 割増引率 等級 割増引率 等級 割増引率
割増 1 64% 割引 10 45% 割引 19 55%
割増 2 28% 割引 11 47% 割引 20 63%
割増 3 12% 割引 12 48%
割引 4 2% 割引 13 49%
割引 5 13% 割引 14 50%
割引 6 19% 割引 15 51%
割引 7 30% 割引 16 52%
割引 8 40% 割引 17 53%
割引 9 43% 割引 18 54%

表を比べると割引率にけっこう差が出ていますね。赤で表示した全てに割引率の違いがあります。

割増と新規加入する6等級までは一緒ですが7等級から10%の割引差がでます。最大で22%も差があるとかなり保険料も変わってきますよね。

例えば、13等級から3等級ダウンした人は10等級ですよね。割引率は事故有りですから23%です。では、9等級から1等級アップした人は同じ10等級で45%割引です。同じ10等級でこの差は大きいですよね。

事故有りの表で少なくても3年間過ごすのはかなり痛い出費ですよね。

1等級ダウン事故・ノーカウント事故

先ほど少し出てきましたが事故の例外についてです。

1等級ダウン事故

基本的には3等級ダウン事故が多いです。しかし、車と車の事故や単独の事故でない事故が1等級ダウン事故になります。例えば、火災、台風、洪水、高潮、竜巻などの自然災害(地震・噴火・津波は含みません)が原因で起きたもの。その他にも故意にイタズラをされた傷や飛び石での窓ガラスの損傷も1等級ダウン事故となります。

この場合は、1等級ダウンですので事故有りの等級に移行します。しかし、1年間無事故で過ごせば元の等級に復帰ができます。

1等級ダウン事故

  • 火災、爆発、台風、洪水、高潮、雹などの自然災害(但し、地震・噴火・津波を除く)
  • 故意に車に傷をつけられる。車体の傷、タイヤのパンクなど
  • 飛び石による傷。窓の損傷、車体の損傷など

ノーカウント事故

ノーカウント事故は事故が起きても事故として取り扱われない内容の場合です。

ちょっとわかりにくいですよね。つまり、事故が起きたときに自分に全く非や過失がないが怪我をしたので人身傷害を使ったや相手との折り合いがつかず特約の弁護士を依頼した。などのケースです。

特約だけを使った場合はノーカウントとして取り扱われることが多いです。

基本的には事故の場合、相手がいれば損害賠償。車両保険で車を修理する。そんなケースが多いと思いますのでかなり珍しいものです。

ただ、ノーカウントですので等級には特に影響がありません。

ノーカウント事故

  • 人身傷害
  • 搭乗者傷害
  • 弁護士補償特約
  • ロードサービスなど

特約は自分でつけるものと自動付帯の特約もあります。列挙した意外にもノーカウント事故として取り扱われる特約はあります。

事故有りの等級がある理由

事故有りの人に3等級下がったうえに割引が下がる等級表が用意されているのはどうしてだと思いますか?

仮に、20等級の人が3等級ダウン事故を起こしたとすると翌年は17等級ですよね。

20等級は63%割引で17等級が53%割引です。確かに割引は10%下がってます。しかし、今までコツコツ事故せず17等級まで上がってきた人は53%割引で同じになるんです。

これって不公平だと思いませんか?

もう少しわかりやすい例で説明すると20年間無事故を続けた人は当然20等級ですよね。20年の間に2回事故を起こした人もその間の割引減はありますが最終的には同じ20等級です。

事故を起こさない人と最終的に同じってやっぱり不公平ですよね。

事故を起こさない人のために割引を多く還元する。事故が有る人からより多く徴収する。これが理由です。

ですから、より多く徴収するシステムで事故有り専用の等級表があるんです。

払ってばっかりで使わない人から取るよりも保険を使っている人からお金を取る方が合理的ですよね。

事故があっても保険を使うのは待って!

事故があったからと保険ばかり使ってしまうと損をするかもしれません。少し考えてから使いましょう。

例えば、細い道に入って曲がろうと思ったら壁に車を擦ってしまった。や電信柱にドアミラーをぶつけてドアミラーのカバーが破損した。なんてことあったりしますよね。

本当に細かい事故のとき。修理金額がいくらなのか翌年からの保険料はいくら変わるのか考えて使わないと結果的に損をするかもしれません。

もちろん修理しないで乗るという選択をすればお金はかかりません。しかし、今回は修理を前提としてください。

車両保険には免責金額というのがあります。免責なしの0円から5万円、10万円となっています。

免責とは修理金額が免責金額を超えると保険金が支払われます。0円であれば全額ですよね。10万円であれば修理金額が9万円だと保険は適用されません。

つまり、実費負担です。免責金額を修理額が超えなかったので仕方ないですよね。

損しないために計算をする

では、15万円だったときはどうしますか?

15万円を実費で負担するのか保険を使うかで迷いますよね。保険を使った場合には3等級ダウン事故です。

先ほど使った例で考えてみます。13等級から3等級ダウンすると10等級です。翌年から3年間は事故有りで進みます。現在49%割引から翌年は23%割引となります。

事故なしだった場合、翌年の14等級が10万円の保険料として計算します。

1年目 2年目 3年目
事故なしの金額 14等級50% 100,000円 15等級51%  99,000円 16等級52%  98,000円
事故有りの金額 10等級23% 127,000円 11等級25%  124,460円 12等級27%  121,920円
金額差 27,000円 25,460円 23,920円

この場合だと3年間の差額は76,380円になります。修理金額15万円で免責10万の場合と比較すると保険を使うと23,620円損をしてしまいます。

保険を使わず修理をすれば当然等級は下がりません。金額差に応じて少し計算してみるとコストの増加を抑えることができます。

相手がいる事故ではダメ

相手がいる事故の場合には当てはまりませんので注意してください。相手がいる場合対人賠償や対物賠償を使うので保険を使って適切に相手方と示談交渉を保険会社にお願いしましょう。

あくまでも軽微な自損事故のときだけです。

等級はどの保険会社も共通している

保険会社の等級はどの保険会社でも同じ表で同じ割引率を採用しています。

ですから他の保険会社に変えても等級を引継ぐことができます。そして、新しい保険会社でも同じ割引率で契約ができます。

良くないことを考えてもすぐバレます

保険会社はそれぞれユーザーの保険情報を共有しています。

例えばAという保険会社で6等級で保険加入した人が1年で2回事故を起こしたとします。翌年は事故有りの1等級からスタートしますよね。64%割増ですから高いと思いますよね。

なので、別の保険会社に新規で入って6等級からスタートしようと考えます。そうすれば割引19%から加入でき最初に入った金額と同じになります。

こんなことはできません。保険契約をするときは他の保険会社で契約しているか告知義務もあります。仮に嘘をついても調べればすぐにわかります。

ですから間違ってもこんなことをしてはダメですしムダです。

誰でも事故を起こすことはある

誰だって万が一事故を起こすことはあります。

そのために保険契約をしています。保険を使って等級が下がり保険料が高くなったら、それを教訓に事故を起こさないよう注意して運転に心がける必要がありますよね。

等級が低いから保険会社を変えるなど変なことを考えず自分の運転を見つめ直し安全運転で等級の階段を再度登り直しましょう。

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サラリーマン時代から資格の勉強を始めてサラリーマンを辞めて行政書士・日本FP協会認定AFP・投資診断士をやっています!投資・人生設計・資格・子育て中の30代男性のライフスタイルの情報を発信しています。